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日本舞踊の発表会に舞踊ショー。
麻春会の特徴になりましたが、珍しいと思います。
2022年4月。
第10回目の会を終えて、改めてショーの事をお話しようと思います。
終演後、お客様の感想で1番多いのが「ショー」の事ばかりです。
面白かった。楽しかった。同業者からは勉強になったとも・・
もちろん嬉しいです。私が構成・振付して・・みんなの頑張りもずっと見ていますからね。
良かった!と思ったり、やっぱりそう感じるよね!と思う反面、古典舞踊を大切にしている身としては少々複雑だったり・・
日本舞踊を観るのもやるのも入り口はどこでもいいと思いながら、常に古典舞踊のポジションを考えています。
日本舞踊を楽しんで欲しい
半年後にやるよ!と急に決めた1回目。この時は私が最後に「供奴」を踊り、最後全員並んでご挨拶をして終わりました。
2回目以降、「何か工夫を!」「お客様にも楽しんで欲しい!」との思いでフィナーレ的に作り始めました。
私がショーの仕事をしていたことと、何より楽しい事が好き!
役者が多い事もあり、古典とは違いカウントでのお稽古は現場で役立つはずです。
初めての「麻春会舞踊ショー」
「お楽しみミニショー」「フィナーレ」としていた時はまだいいのですが、「麻春会舞踊ショー」と大袈裟なタイトルを付けてしまったのは初めてのホール公演だった第5回目の時です。
私に取っても30分のショーの構成・振付・出演は初めての事でした。
その時の麻春会出演者はなんと7人のみ。
今思うと、怖くなります。
今までの小さな会場でできなかった事があり、想いは強かったのですが・・
日本舞踊の発表会に、こんなショーをやっていいのか・・お客様はビックリしないか・・
そんな不安からか本番の日、最後に古典舞踊を踊り汗だくになりながらショーの衣装に着替え自らショーのアナウンスをしました。
古典舞踊で固まってしまった身体をほぐして楽に観て欲しかったからです。(みんなの緊張が絶対お客様にも伝染してるので)
ウケ狙いをしたわけではありませんが、最後に笑いが起こり「麻春会舞踊ショーの開演です!」で割れんばかりの拍手。
陰マイクを置き、上手にスタンバイしながら「あっ、大丈夫だ!」と確信しました。
ショーの空気をお客様が作ってくださいました。
あの日の拍手や声援は忘れられません。
ショーの振付も通常稽古中に
発表会のメインは、やはり出演者が普段のお稽古の成果を発表する事です。
いわゆる個人曲!古典舞踊、小唄、新舞踊と人それぞれですが。
そこにショーの稽古が入ってくるわけです。
興行ではないので、あくまでも別日に短期間で完成させるわけではありません。
5回目以来のホール公演。
迷わず名付けた「麻春会舞踊ショー」。
倍以上になった出演者。私に取っても大仕事です。
今回私は、麻春会メンバー1人1人にショーへの参加の有無を確認しました。
ショーが得意分野の私が会主だからと言って、ショーの踊りに興味がないのに無理やり出てもらう必要はありません。
言い換えれば・・無償の振付を、出たくもない人に振付する時間はありません。
全員「出たい」でした。
みんなの想いを受け、構成の開始です。
ショーの構成
芝居で言うあらすじ。
ただ曲を並べるだけではありません。選曲を含めて、ここが1番カギですね。
振付の時もよく聞かれます。
「どうやって作ってるの?」って。
意外と単純です。「自分が観たいものを作りたい!」ただそれだけなんです。
今回・・実はゲストをお迎えする予定でした。
すでにチラシデータもブログに出していましたので、ご存じの方もいらっしゃると思いますが。
みんなの選曲と振付はだいたい済んだ本番3ヶ月前、急遽降板。
そこからの作り直しでした。
でも、プロではありませんので今から振付を変えるのは不可能。
みんなのポジションを変更せず1本のショーにする。
私が全て埋めて作るしかありません。
こんなバタバタでの制作。
私の個人曲の振付をしたのは本番1ヶ月前の下ざらい直前でした。
ただ、作り直すことで元々気になっていた部分が解消されたり急遽ではありましたがいつか踊ってみたいと思っていた曲を踊る事になったので結果オーライでした!
振付で気を付けている事
あくまでも日本舞踊教室の発表会でのショー。
お稽古にならないと意味がありません。
外部の振付でも同じですが、私は「基本」を大切にしているつもりです。
曲が邦楽だろうが歌謡曲だろうが日本舞踊です。
ただそこにプラスする事があります。
お客様の目を変える(飽きさせない)事と、麻春会メンバーの特技を活かす事。
バレエや新体操をやっていた子がいる。洋舞をやっていて早い動きやカウントの振付に慣れている。
衣装は和装でも、洋の振りを入れたりします。(ダンサーが芸の道のスタートだった私・・こんなところで活かされるとは・・)
そして、お客様の息抜きの為のお笑い曲!
変わった振りを、キッチリ真面目にやることで立派な(?)1曲になります( ;∀;)
お稽古方法
外部の振付は、稽古期間みんなで集まって振付します。
頭で作った大勢のフォーメーションや移動を実際に付けながら私も確認。そして変更。
短期間で作り上げます。
さぁ、麻春会は・・
通常の個人稽古中に振付します。
ん?個人?
群舞を??
ここが一番大変な所です。
振付が始まると、私は1日に何回も同じことを繰り返します。
誰もいない部分の立ち位置を説明しながら・・
移動などは人数がいないと、次の位置に行くまで何カウントで着くのかがわからない中私の想像で付けていきます。
みんなは、私の説明で理解しなくてはなりません。
隣に誰がいるのか想像しながら・・
お互いに難しい作業なので・・
可能な限り数人でもいいから合同に!になってきます。
前半6人の「桜狩り」
2人1組が3つ。相方がいる方が振りも覚えやすいです。
このように何回も私は振付していきます。
全員揃ったら、1回の説明で済むんですが・・
この曲は、個人稽古でも大丈夫なようにソロパートも作りましたがやはり揃わないと「絵」が見えない状態でした。
地味な作業ですよね・・
ショール組のみのお稽古。ここには○○ちゃんがいるから・・で想像するのは至難の業?
男子3人のパート!
2人しかいなければ、私が入って立ち位置感覚のお稽古!
男子2人とのパート!
私は、1人を相手に何回もお稽古!
詰めて!多分それじゃ、前の人とかぶっちゃうよ!
と言われても・・
この状態で理解するのは難しいですよね。
よく言っていました。
このショーのお稽古、私が1番やってるかも!って(^_-)-☆
何回振付したか、何回穴埋めで踊ったか・・
恐ろしい話ですが、結局全員揃ったのが本番の日のみ。
ただ、教えているのは私1人。全員に同じことを伝えていればきっとあうはず・・
それだけを信じての本番でした。
私は群舞が大好きです。
麻春会の場合は「お稽古場」なのでこのような形でのお稽古にはなりますし、個人で踊る方が「目立つ」と思うでしょうが・・
◎難しい所
カウントを数えられないとできない
共通認識が必要です。数えれれない人、多いんですよ。そうすると耳で聞こえてくる「歌詞」でとるようになります。そうなると、全然合わなくなるんです。
そして、舞台に行ったときの「場当たり」と言われる曲なしで位置確認する時、「4の時の場所行って!」と言われても把握できません。
麻春会は役者さんが多いので、現場に行って苦労しないためにうるさく言ってるんですが・・( ゚Д゚)
自分の個性は封印
水の中のシンクロを見ていればお判りですよね。
「そこに手を出す」この一つの動きに対しても、出し方と速度を一致させなければなりません。
「出し方」は個性封印の基本通り。
「速度」はカウントであわせます。
私1人ぐらい大丈夫だろう
この気持ちを持っている人が1人でもいると群舞は成り立ちません。
先に言った「個人で踊るより目立たない」
この言葉、群舞で使うとすると「悪目立ち」になっちゃうんです。
間違う、遅れるなどはお客様の目を奪い、できている人の迷惑になります。
余談ですが、プロの世界では群舞で間違えたり舞台上に何かを落としたらその場に出ていた人や場合によっては座長やスタッフさんにも謝りに行きます。
もちろん「次は気を付けて」だけなんですが、その場を壊したという認識なんです。
◎群舞最高!な瞬間
ピッタリあった時
そりゃそうですよね。
あわせられるように作ってはいますが、人間がやっている事。
ずっと同じ時を過ごし、いつも難しい群舞をやっている宝塚ならともかく・・(本当にすばらしいですよね)
日本舞踊の経験年数も違う、会の時しか群舞をやらない麻春会に取ってはかなりの挑戦!
後、振りが合うのと同じぐらい・・時にはそれよりも大切なのではと思う事は・・
同じ空気になった時
ここで初めて、「できた!」と思えます。
振付している時、振り以外に曲の空気や色をイメージして作っています。
稽古中や舞台で、私の脳内のイメージと一致した瞬間・・
鳥肌が立ちます!
これが、完成の合図??
本番後の反省会で、「ショーの時、みんなで合わせよう!って感じがたまらなかった」と聞きました。
そうなんです。それが群舞の素晴らしい所。
社会と同じだと思いませんか?個人でやる事も大切ですが、みんなと同じ想いになり一つの物を作り上げていく。完成した喜びを分かち合える。
まずは個人のレベルアップ。
そんな仲間と作り上げる群舞!これができるのが麻春会。
「日本舞踊の発表会にショー」
ここには、いろんな目的があるんです!