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2020.08.23役者と日本舞踊

役者は一生勉強③日本舞踊で踊り以外に習得できる事は?


「日本舞踊は役者の必須科目!」
私は、ずっと言い続けています。時代劇や、着物を着る役の時に「しまった」と思ってからでは遅いんです!
これから役者を目指す方や、まだキャリアの少ない若い方には是非今から日本舞踊を始めて堂々と現場に行って頂きたいと思います。

作る側も、役によって所作が変わることや着物の扱いをご存じない所もあります。
ベテランのスタッフさんや先輩役者さんは、「言ってもここでできるわけじゃないし」「打っても響かないから無駄」と思われているとしたら・・?
悲しいですよね。
この記事にたどり着いた方は、本物を目指す仲間なので「気付き」を忘れずに頑張っていきましょう。

実は、日本舞踊を勧める理由は・・
着物、役に相応しい所作、そして踊りの技術・・だけではないんです。

実際に感じた人にしかわからない大切な事を、麻春会のお稽古でよくある笑い話を例にお伝えしたいと思います!





芸歴32年を迎え、紆余曲折しながら舞台役者を続け、そして日本舞踊指導と振付や所作指導の仕事をしている麻倉ゆうきが、今まで学んだ事や日々感じている事をお伝えしていきます。
人生をかけて取り組んでいる「芸の世界」を皆さんと共に歩んで行きたいと思います。










この広い稽古場、どの場所で踊りますか?









これは、ある日の麻春会のお稽古場。
広いですよね。私の目線からの写真です。





曲に合わせて1人で下手からセンターへ。正面を向いたら「良きところ」まで前へ出て踊り初めてください。





皆さんはオーディションや現場でこう言われたらどこで踊りますか?
この空間処理能力は役者にとってかなり大切な事です。
いわゆる「立ち位置」ですよね。
舞台で立ち位置が取れないと、自分も良く見られないし仲間にも悪影響が!
そんな経験ありませんか?もちろん映像でも必要です。カメラの位置により指示は出ると思いますが感覚でつかめないと・・
「センスないよなぁ~」なんて言葉で終わってしまいます。

では、この「センス」ってどうすればいいのでしょうか?
生まれ持ったものと諦めますか?
いやいや諦めちゃダメでしょ!鍛えましょう!
日本舞踊で!

今は、踊りを例に取っていますが踊らなくても同じことが言えます。
そして、この例題は簡単な方です。1人だし、センターでいいって決まっていますからね。





遠近法で、かなり後ろに設定されているように見えてしまいますが実際はこんな感じが理想です。









手前に置いたお扇子入れが、舞台前面。
これより前に出ないで踊った方がいいです。劇場入りの後、演出家は一番前で見ないでしょ?全体を見る為ですよ。
私も、全身を見たいし空間の中にいる貴方を見てアドバイスしたいのです。

それに対して、「良きところ」とされる位置に小さな椅子を置いてみました。
そこで踊りはじめ、必ずそこで踊り終わるようにします。
ここなら緞帳が下りても大丈夫です。

簡単と思うでしょ?それがそうはいかないんです。
芸をしながらですからね。

麻春会のお稽古のお話です。
お稽古なので、もちろん最初はこの辺で踊ってね、とお伝えします。
日本舞踊は、特に女の踊りは歩幅が小さいです。だいたい足一つ分です。(膝を離さないので)男踊りは、肩幅分ぐらいですが、3つ出たら3つ下がるなど、極端にどっかに行ってしまうような振りはありません。
途中でグルッと大回りする振りがあれば、その時がチャンス!微調整ができます。

ただ、基本を忘れて歩幅を守らなかったり身体の向き(角度)が違ったりするととんでもない所に行ってしまいます。

これは、お稽古中のお話なので笑い話で済むんですがドンドン私に近づいてきて・・





ジャ~ン!!









この辺まで来ます!(^^)!
原因は、振りの手順しか考えていないから!
今は小さな椅子ですが人の身体がここまで近づいて来ると・・
私も笑いを我慢できず「ねぇ、後ろ見て!こぉ~んなに広いのに近いって(笑)」となり、「どんだけ好きなんだ・・」と後ろに下がっていきます。

普段はお扇子入れなど置きませんからね。

手順を覚えるのに一生懸命だからとわかっているのでつい笑ってしまうのですが、厳しく言えば手順を覚えている最中は基本は忘れていいはずはなく・・
本来は、こんなことになるはずないのです。

もしここが舞台なら、本当に落ちてしまうまで前には行かないと思いますが感覚で掴むことも大切なんです。





お仕事の現場で必要な事がこの1つの例題でわかります。





私たちの仕事は、芸があって当たり前。
その上で、各現場で求められていることを一瞬に察知していかに動けるかが勝負。
いくつもの事を同時進行で考えられる力が必要です。
まさしく自分がどう見えているのかを見る「第三の目」があるかどうかです!










複数人いる場合の立ち位置はどうやって取るのか





まず、芝居でのお話。
大劇場では一つの場面に20人ぐらい出ている場面も珍しくありません。

大きな役が付いていればある程度演出家から指示は出るでしょう。
それでも、出はけの場所やこの台詞はここで!とかですもんね。それ以外は、はい出ました!「良きところ」で芝居を続けなければいけません。
先ほどの踊りの立ち位置と一緒ですよね。
スタートとゴールの位置は決まっていますが、途中に通過しなければならない地点があるはずです。芝居をしながら自然にね!
台詞をまだくっている段階だったり、所作に自信がない状態では頭が一杯一杯で立ち位置まで考える余裕がなくなります。
ここ、本当に大事な事なんです。現場は基本稽古をする場所ではありません。
芝居を作る(段取りや立ち位置)時間なんです。
だから基本ぐらい普段からちゃんとお稽古しないと!と言い続けています。


では、その場面ほとんど台詞もなく役として存在しなければならない人が複数人いたら・・
時代劇で言うと、女中とかね!
5人ぐらいいるとしましょう。やることもかぶるんですよね( ゚Д゚)
みんなで同じことしても面白くないし・・。
でもベテラン同士だと、何の問題もなく上手くいくんですよ。気持ちいいし、そんなお稽古は楽しいです。
みんな第三の目を持っているんでしょうね。自分も殺さず人も殺さずにその場を作っていきます。そして自分の台詞の時は「良きところ」にいます。

女中同士、お客さんとも普通に絡んでいながらちゃんと台詞も聞いていて自然に動く。これも芸のうちなんですよ。

踊らない役でも、現代劇でも「役者にとって日本舞踊は必須科目!」と言っている理由は、「所作」(所作って立ち居振る舞いの事なので時代劇に限らず)、「良きところ」を感覚で掴む為なんです!
そのことは、気付いたり感じたりしない限りピンとこないかもしれませんが経験上間違いありません。










日本舞踊で踊りの技術以外で習得できる事のまとめ





今回お伝えしたかった事は・・

空間管理能力(立ち位置)
自分を客観的に見る第三の目





になります。

1人で踊る例を出しましたが、まずは1人で空間を有効的に使えるようになる事ですね。どうなれば有効的なのかわからない内は、まだ第三の目がないと思って下さい。自分の事で一杯一杯な状態です。芝居では、これができる人同士でしか自然ないい場面は作れません。

そしてその先は、古典で言えば組舞踊(2~3人で踊る)新舞踊やショーで言えば群舞が待っています。

私がずっとやってきたショーの「群舞」の立ち位置こそ取れるか取れないかで運命が変わります!(大袈裟?)(この話もいつかしたいなぁ~)





日本舞踊教室「麻春会」は役者にとって必要な場所であり続けたいと思います。
時代は変わっても基本は変わらない!
一緒に頑張りましょう!





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